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スポンサー企業様に聞く!Scrambleを支える人々の思いとは ~双和電機株式会社様編~

2021年3月30日

次世代ロボットエンジニア支援機構は、個人・企業を問わず様々な方の支援によって成り立っていま す。そこで、そうした方々への感謝を示すと共に、その魅力を広くお伝えするべく新たな企画を立ち上げました。その企画とは、本機構所属ロボットコンテストチームの学生が、支援をしてくださる方々にインタビューをし、その思いや考えなどを伺おうというものです。 

第2回となる今回は、京都府京都市を本拠地としている双和電機株式会社についてのインタビューです。今回も非常に興味深いお話を伺うことができましたので、 ぜひ最後までご覧ください!

 

プロフィール

スポンサー企業様

双和電機株式会社 宮下 晋哉様

所在地:〒612-8392 京都市伏見区下鳥羽北ノ口町92番地(本社工場)

双和電機株式会社様は1965年に創業されました。主にプリント基板の製造受託を中心に事業を展開されています。双和電機様は「まじめな製品づくり」を理念とされており、設計から検査・試験・梱包出荷に至るまで高品質な製品づくりを提供されています。

双和電機の最大特徴は月間800~1000種類、年間4000~5000種類のプリント基板実装を中心とした電子部品の多品種少量生産です。生産に関しては、自社開発した生産システムを駆使しておられ、顧客要求事項や受注環境の変化だけでなく、社内要求にも柔軟に対応できる仕組みを整えておられます。

また、双和電機様は地元の雇用を守り、顧客のニーズに合わせたものづくりを大切にされている企業様です。次世代ロボットエンジニア支援機構の京都から次世代エンジニアを育成する理念にもご共感頂き、法人化前からご支援を頂戴しております。


質問者

坂田 玲央

RoboMasterチーム所属

戦略担当として、有利な戦術を考えられるように、試合動画を画像処理することによるデータ分析を行っています。


 

インタビュー

Q.1 双和電機株式会社様について

坂田
貴社の成り立ちや事業内容など、概要についてお聞かせください。
双和電機は1965年に創業され現在56期目に入っています。事業内容は、わかり易く言えば「EMS(electronics manufacturing service)」ということになります。ただ、私たちは「製造」を請け負うことに特化しているわけではありません。受託生産を柱にビジネスを展開しようとすると、どうしても「大規模」「大量生産」をしないと成り立たないのが現状です。20数年前から製造業の海外移転が加速する中で、地元で雇用を守り多くの顧客の多品種少量生産を支える存在として発展してきました。
双和電機 宮下様

Q.2 Scrambleに支援してくださったきっかけについて

坂田
本機構への支援を決めたきっかけをお聞かせください。
「ものづくりが好きなエンジニア」や「組み込みシステムの技術として、全体をシステム設計できるエンジニア」(あるいはその卵)たちの支援になれば、ということがひとつです。

また、私たちのような中小製造業は「優秀なエンジニア」や「優秀な理系学生」の目に触れる機会がとても少ないのも現実です。

そんな彼らに「双和電機」という名前を少しだけでも目にしてもらえる機会が作れればありがたいと考えています。

双和電機 宮下様

Q.3 一貫した工程について

坂田
設計から出荷まで、工程を一貫することの難しさはありますでしょうか?

双和電機の最大の特徴は、「多品種少量生産」です。月間800~1000種類、年間では4000~5000種類のプリント基板実装を中心とした電子機器の生産を行っています。

特に生産部門を持たない顧客にとって、少量であっても受託してくれる当社はとてもありがたい存在なのです。「設計開発」は顧客で行い、「部材の調達から生産」まで受託してほしいという顧客もあります。基本設計は顧客で実施し、「品質と生産性」を考慮した最終設計以降は当社でという場合や、当社で最初から「設計開発(ハードウェアだけでなくソフトも含め)」を行う場合もあります。

100社を超える顧客の、あらゆる工程からの注文に柔軟に対応するためにはモノづくりの仕組みやシステムが大切になります。

双和電機 宮下様

Q.4 品質管理の秘訣

坂田
徹底した品質管理の秘訣をお聞かせください。

直接部門だけではなく、営業や資材部門も含めた全社の品質に対する意識の高さだと考えています。

生産や検査工程の履歴はもちろん、部材の調達や使用履歴などを含めたあらゆる記録がデータ化されています。品質や生産性データの見える化は、担当部門だけではなく「全社で共有」されることにより意識向上にも寄与します。

「あらゆる工程からの注文に柔軟に対応する生産の仕組み」は、すべて自社開発した生産システムにより可能になっています。

システムを自社開発することにより、顧客要求事項の変化や受注環境の変化はもちろん、必要な情報の共有化といった社内要求の変化にも柔軟に対応できます。

双和電機 宮下様

Q.5 工程中のコミュニケーションの秘訣

坂田
設計から製造の間まで、どのようにコミュニケーションをとり品質を保たれているかお聞かせください。

一言に「コミュニケーション」というと難しい部分があります。業務上のコミュニケーションツールにはいろいろあり、「製造」という部分では「作業指示~作業ログ収集~結果報告」という一連の流れが生産管理システムに組み込まれています。具体的には、作業者全員にスマホあるいはタブレットが支給されていて、作業指示も作業ログの収集もすべてそのデバイス上で行われます。

そういう意味では上司と部下が直接接触してのコミュニケーションはあまりないかもしれません。

そんなこともあり、業務外のコミュニケーション作りはとても大切にしています。

今年はコロナ禍の中、業務外での交流の場がほぼなくなってしまったのが残念です。

双和電機 宮下様

Q.6 故障解析を行う理由

坂田
なぜ故障解析まで行っているかお聞かせください。

全ての故障解析が行えているわけではありません。例えば顧客で設計された回路で、FPGAが搭載されていたりソフトウェアが組み込まれているようなCPU基板だったりすると、設計者でなければ不具合個所を特定することはとても困難です。回路図を開示してもらえない基板の方が多いぐらいです。

そういう基板は「実装不良」がないことを確認して顧客の設計者に解析をお願いすることもあります。

もう一つの故障解析は、市場へ出てから不良になって解析依頼が来るものです。この場合、実装不良はありませんが、「振動」による破壊や「はんだ付け部」の経年劣化などが起きていると、設計者とともに故障個所の解析を行うこともあります。

半導体をはじめ「電子部品の故障」の場合には、(当社出荷製品は工程も使用部品もトレースできる仕組みがありますので)部品メーカーへの解析依頼となり、部品メーカーさんの工程までさかのぼることができます。主に「産業機器」で使用される電子機器は「信頼性」が大切なものが多いので、出荷後も故障解析することで、その後の「実装技術」などに反映され「信頼性向上」に活かされています。

双和電機 宮下様

Q.7 製品を提供する際に大切にしていること

坂田
製品を提供する際に一番大切にされていることをお聞かせください。
当社の経営理念は「まじめな製品づくり」です。

とてもシンプルな言葉ですが、「モノづくり」にまじめに取り組むということは当たり前のように思われるかもしれませんが、とても大切なことです。

品質、環境、コンプライアンス、どれをとってもまじめに取り組むことで「良い製品」が作られるのだと信じています。

「まじめな製品づくり」は、従業員一人ひとりの意識や行動によって成り立つものだと考えていますので、「従業員満足度」を上げることと「良い会社づくり」を目指した取り組みをしています。

双和電機 宮下様

Q.8 これからのScrambleに期待すること

坂田
これからの本機構に期待することなどがあればお聞かせください。
私も元エンジニアの一人として、皆さんが、モノづくりを楽しんでおられるのをうらやましく拝見しています。

環境にもよると思いますが、企業人になり年齢を重ねていくと、皆が今と同じように何事にも興味をもって好きなことができるかというとそうではないかもしれません。

学問の道に入られるかもしれませんし、起業される方も出てくるでしょう。

今、懸命に目標に向かって、仲間たちと「モノづくり」に興じる時間を大切に、また、後輩たちに引き継いで、日本のモノづくりを支える人材づくりに貢献されることを祈念しています。

双和電機 宮下様

感想

双和電機様が掲げられている「ものづくりを通した豊かな人間社会を実現できる会社経営を行う」という経営方針は、Scrambleの想い・目指している姿とも一致するものです。

これからも、ともに京都から日本のものづくりを支えるべく頑張ってまいります。今後ともよろしくお願いいたします!

次回は株式会社京都製作所様を予定しています。お楽しみに!

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