RoboCupSSLとは
完全自律で協調動作するロボット開発への挑戦
RoboCupは世界的に開催されているサッカーロボットのロボットコンテストです。全自動でサッカーをするロボットを作り上げるという高度な技術に挑みます。またRoboCupには世界大会があり、試合を進める中で国外の方々と交流し、国際的な感覚を持ったエンジニアとなることが期待できます。本機構に所属するこのチームのみは大半が既に就職している若手エンジニア・研究者で構成されており、そのためこのチームには本機構から直接的な支援は実施しておらず製作費等もチームのみで独立して運用しています。本機構に所属する多数の若手エンジニア・研究者の学びの場として活用しており、ここで得た知識や経験等を他の機構所属チームに共有する形で本機構の事業への支援としています。
学べる・経験できる分野(一例)
- 自律動作するロボットの研究開発
- 3DCADを用いた小型車輪移動ロボットの設計製作
- ROS(Robot Operating System)を使ったロボット制御ソフトウェア開発
- マルチエージェントロボットの協調行動実装・アルゴリズム考案
- 他国のエンジニアとのコミュニケーションなどを含めた国際感覚
RoboCupとは
2050年までにFIFAワールドカップのチャンピオンチームに人型ロボットのチームが勝つことを目指してロボット開発を世界規模で推進するプロジェクト・ロボットコンテストがRoboCupです。RoboCupは日本の研究者の提唱により1997年に第1回大会が開催された、歴史あるロボットコンテストです。開発する技術の内容やロボットサイズに応じて様々なリーグが開催されています。本機構では子ども達のロボット教育を目的にしたロボカップのジュニア大会にも出場しています。
競技概要
多数の自律ロボットが連携してパスを繋ぎ相手のゴールを狙うロボットサッカー
本機構が出場するサッカー小型ロボットリーグ(Small Size League:SSL)は小型サイズのロボットを多数用いてサッカーをするリーグです。ロボカップ全リーグの中でも最もロボット台数が多いリーグであり、サッカーにおけるパスやディフェンスといった協調行動、戦略などの重点的な開発に挑戦します。SSLでは小型ロボットが機敏にパスを繋ぎゴールを狙うロボカップ全リーグの中でも最もスピーディーで迫力ある試合を見ることができます。
SSLでは最大直径180mm、高さ150mmのロボットを製作し、各チームは最大8台を出場させることができます。12m×9mのサッカーフィールド上で最大16台のロボットがサッカーをします。フィールド上空には複数のカメラが設置されており、カメラでロボットの位置とボールの位置を検出するためのSSL-Visionと呼ばれるシステムが大会側で用意されています。各チームではこれら味方・敵ロボットおよびボールの位置情報全てを受け取り、各味方ロボットがどのように動くかをプログラムした戦略システム(サッカーAI)を実行し、ロボットに指令値を生成し無線でロボットで送信します。ロボットはサッカーAIの指示に従い、フォーメーションを組んだりパスをしたりディフェンスをしたりなど、複数台数が協調しながらサッカーをします。このようにSSLでは人がロボットを一切操作することが無く、完全自動で協調しながら動作するロボットの製作に挑戦します。
競技の様子
出展:YouTube Robotics Erlangen
RoboCupSSLチームリーダー
日下部 雄樹
ロボットエンジニア、岐阜高専ロボコンゼミOB、東京工業大学Maquinista OB
2019年よりRoboCupSSLチームのリーダー。チームでは回路設計製作等を担当。高専時代は高専ロボコンに出場し全国大会に出場するなどの成績を収め、大学進学後は学生ロボコンに出場してきた。たまに同人誌を執筆し、コミックマーケットや技術書典といった同人誌即売会にも参加している。