RoboCupSSLロボットの紹介

2019年度ロボット(2号機)

ポジションの役割に特化したロボットの製作に挑戦

2019年度は2度目の大会ということもあり、製作するロボットは独自路線での開発に挑戦しました。中でも最も特徴的なのはロボットの設計をそのポジションの役割に特化させ、複数種類のロボットを製作したことです。SSLでは競技に出すロボットの設計を共通にしポジションに関わらずロボットの機能は同じにすることが普通です。これは異なる種類のロボットがいるとロボットに指令を与えるサッカーAI側も処理が大変になることもあり多くのチームは同じロボットを使っています。しかし、サッカーであればオフェンスやゴールキーパーなど、ポジションによって必要な機能が異なるはずです。そこでScrambleではオフェンスに特化したロボット、ゴールキーパーに特化したロボットの設計に挑戦しました。オフェンス3台、キーパー1台を新規で製作し、ディフェンス役には2018年に設計製作した4台のロボットを割り当て、合計8台のロボットを製作し大会に挑みました。特にオフェンスロボットの全方位にキックできる構想と一部それを実現した点に関してロボカップジャパンオープン2019では日本ロボット学会よりロボット学会賞を受賞しました!2018年に引き続き2年連続でロボット学会賞を頂くことになりました。

オフェンス特化ロボット

オフェンスロボットでは、フィールド前線に出て相手の意表を突くパス回しであったり、シュートを決めれることが重要になるはずです。しかしこれまでのSSLのロボットは基本的に前方向にしかキックができず、ロボットの向きが分かればどちらにボールが蹴られるかわかるものでした。Scrambleではオフェンスロボットのパスやシュートに多彩な戦略性を持たせるため、前方向のキック機構のみでなく左右方向にキックする機構の埋め込みを実現しました。前方向と左右方向のキック機構を同時に駆動することで、ロボット前方扇形方向全てにキックをすることができます。またドリブラーによってボールにバックスピンをかければボールが後方に転がるため、全方位にキック範囲を広げる構想もあります。

キーパー特化ロボット

Scrambleはキーパーの横方向への移動加速度を極限まで高めることに挑戦してみました。これは、キーパーはゴール前で姿勢を変えず左右に素早く移動さえできればゴールを防げるためです。左右方向への移動加速度を高めるため、まずオムニホイールの配置を横方向に特化させました。次に最大の特徴として、ロボットにダクテッドファンを搭載しフィールドに対して吸い付くような動作を実現しました。これによりホイールとフィールド面の滑りが抑えられ、加速度を上げることができます(動作時はまるで掃除機のような音がフィールドに鳴り響く)。加速度は全てのゴールを防ぐ(脳筋)という発想の下、開発を進めましたが実際にフィールドでファンを回すとフィールドの床面の材料を吸い上げてしまうなど、なかなか思ったように動かず苦労しています。

2018年度ロボット(初号機)

SSLでの標準機を4台製作

2018年度はScrambleにとって初めての大会出場であったため、SSLで標準的と言われるスタンダードなロボットを設計製作しました。SSLのロボットは直径180mm、高さ150mmの円筒形のロボットで、標準的に求められる機能は

  • 全方向に移動できる
  • ボールをドリブル(一時的に保持)できる
  • ボールをキックできる(ストレートキックとチップキックの二種)

です。古くからSSLに参加されているチーム、また特に高専OBチームであるOP-AmPさんとRootsさんのロボットを参考にロボットの設計を進めました。

スタンダードなロボットを作りながらも、このロボットでは低重心にするための工夫を凝らしてみました。SSLではロボットが速度の切り替えが頻繁に生じるため、低重心にすることで走行時の安定性を高めることができるためです。低重心化のために、駆動輪用のモータを制御するモータドライバ回路をモータのすぐ背後に取り付けました。本来駆動輪用のモータがある場所はキック機構やドリブル機構などあらゆる機構などが密集する箇所で、そこに回路を入れ込むのは容易ではありません。Scrambleでは駆動輪回りの薄型化の実現と小型な回路を作成し、低重心化に成功しました。この取り組みが評価され、初出場となったロボカップジャパンオープン2018では日本ロボット学会から学会賞を受賞しました!

 

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