次世代ロボットエンジニア支援機構(通称Scramble)所属のFIRST Robotics Competition(以下FRC)チームがInfinite ReCharge at Home ChallengeにてRookie Game Changer Awardを受賞しました。本チームは2020年9月に発足した西日本初のFRCチームであり、初出場ながらAwardを勝ち取りました。
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Rookie Game Changer Awardとは
Rookie Game Changer Awardとは2021 FIRST Robotics Competition Infinite ReChargeにおいて、新人チームの傑出した成果に対して授与される賞です。チームは2021シーズンに開発したロボットの性能や活動成果をオンラインビデオツールで審査員に英語で発表し、その内容が評価されます。Rookie Game Changer Awardの評価基準はロボットの設計プロセスが説明できているか、競技ルールに適したロボットを製作できたか、FIRSTのコアバリューを体現できているかが重要になってきます。
受賞理由
*オンライン表彰式での審査員のコメントをチームで翻訳しました。
このチームは、ロボットのデザインが優れていただけでなく、FIRSTのコアバリューを体現していたことが評価され、Rookie Game Changers Awardを受賞しました。Scrambleでは、FRCチームだけでない国内の様々なロボコンチームを支援するプログラムを実施し、次世代エンジニアの育成に取り組んでいます。あらゆる年齢層のロボコンチームに資金と部品を提供するために、産業界のパートナーと協力して助成プログラムを実施しました。また、学生がロボコンだけでなく、エンジニアとして将来必要なスキルを身につけることができるように、3D CAD、ロボットプログラミング、基本的な組み立て技術の講習会を開催しました。
【審査員コメント(37分頃より)】https://youtu.be/HF7haUx_KeE
This team earned the rookie game-changer award not only for the excellent robot design but even more so for the exemplification of the core values of FIRST.
This rookie team seeks to grow and train the next generation of engineers not only through the FRC team but by developing programs to support many different robotics competition teams throughout their country. They scrambled to develop a grant program with industry partners to provide funding and parts to robotics teams of all ages. They also took steps to provide training classes in 3DCAD, robot programming, and basic assembly techniques with their scramble robocon team encouragement program to ensure students develop the skills needed not only to be successful in robot competition but as engineers of the future.
Congratulations team 8509 Scramble from KYOTO.
藤井悠伍(チームリーダー、京都市立西京高等学校2年)のコメント
西日本初のFRCチームとして、またScrambleの重点強化チームとして活動を開始し、初年度から高い評価を頂けた事を嬉しく思います。一方でロボット開発では思うように進まなかった事も多く、世界の強豪チームとの力の差を痛感しました。これからも貪欲に一層自分達の技術を磨き続け、チームの運営面も強化することで、次のシーズンはより優れたロボットを開発したいと思います。また、ビルディングオフシーズン中もアウトリーチ活動などを通じて、日本のより多くの学生がSTEAMを体験できるようにしていきたいです。
「Scramble-FRC」チームについて
Scramble-FRCはScrambleの重点強化チームとして2020年9月に発足しました。けいはんなオープンイノベーションセンター(京都府相楽郡精華町)を拠点とし、10数名のメンバーの内多くは京都府や奈良県などから集まっていますが、オンラインツールを用いてチームの情報共有基盤を整えているため、メンバーの所属や在住地は京都や関西に限らず広範囲に渡っています。
メンバーの中にはFLL ChallengeやRoboCup Junior、World Robot Olympiadなどのロボットコンテストへの出場経験があり、このうちFLL ChallengeとRoboCup Juniorでは世界大会で入賞したメンバもいます。
一方、FRCはロボットコンテスト未経験者でもロボット工学を学ぶ最適な場です。またはアウトリーチ活動に強い興味を持ちチームに加入したメンバーもいます。FRCの活動内容は「まさにロボコン!」といったようなものから社会に働きかけるようなものまで多岐に渡り、課外活動に積極的な学生にとってはうってつけの場です。
6月より次シーズンにむけて本気で世界大会を目指し、責任を持って自己研鑽に取り組むことのできる新メンバーを募集します。詳しくは本機構のWebサイト(https://scramble-robot.org/support-team/scramble/frc/)をご覧ください。
First Robotics Competitionとは
アメリカのNPO法人FIRSTが15~18歳を対象に主催する国際ロボットコンテストで、世界35カ国より約3,800チーム、9.5万人以上が参加しています。毎年1月にロボット競技のルールが発表され、世界各国で開催される地方予選までの約2か月で50kg程度の大型ロボットを製作します。具体的には、3D CADを用いた設計と組立、自律制御や遠隔操作の為のプログラミング、およびロボットの操作練習を行います。大会では、3つのチームで1つの連合チームを作り競い合うのが特徴で、世界各国から集まる他チームメンバーと英語でコミュニケーションする能力も必要です。地方予選でロボット競技の成績が高いチームや、後述する日々の活動が高く評価されたチームは、アメリカで開催される世界大会への出場権を手にします。
FRCのキャッチコピーに”More than Robots”があり、この言葉は「FRCは単にロボットを作るだけのコンテストではない」ことを表しています。ロボット製作以外にアウトリーチ活動の実施もコンテストの一環です。この活動の中でチームは様々な社会問題の解決やSTEM教育の普及に携わります。またFRCに参加するには年間約300万円以上の資金が必要になりますが、これはすべてチームメンバー自らが調達しなければなりません。そのためチームは企業とのスポンサー交渉やクラウドファンディング等を通じて資金を集めます。
「一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構(Scramble)」について
Scrambleは、日本のものづくりを担う次世代のエンジニアの育成、およびものづくり業界・文化の活性化をミッションに掲げています。ロボットコンテストを人材育成の場として活用し、様々なロボットコンテストに出場する学生・子ども達への製作費やメンター提供、ものづくりスペースの提供など多岐に渡る支援事業を実施しています。また、学生・子ども達から現役エンジニアまで全世代のスキルアップや初学者の参入障壁を下げる取り組みおよび非エンジニア層に向けた広報活動などを展開し、エンジニアを憧れでカッコいい職業に感じてもらい界隈の人口増加を狙う事業を展開しています。
【法人名】一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構
【所在地】京都府相楽郡精華町精華台7-5-1けいはんなオープンイノベーションセンター209号室
【代表者】代表理事 川節拓実(大阪大学助教)
【設立】2020年5月18日
【URL】https://scramble-robot.org/
【事業内容】次世代のエンジニア育成・支援、ものづくり界隈活性化
【詳細資料】https://prtimes.jp/a/?f=d62410-20210529-3158.pdf