RoboMasterとは
最先端の技術開発に挑戦し過酷な環境下でも動くロボットを創るとともにチームワークを磨く
RoboMasterは全世界から200チーム以上が参加する国際的なロボットコンテストの一つです。遠隔操縦するロボットが最大9台対9台で球を打ち合い相手を倒したり基地を倒したりするゲーム性が高い競技ながら、その裏にはロボット業界における最先端の技術開発に挑戦できるルール設定、衝突等が頻繁に起こる過酷な環境でも間違いなく動くロボットを創るスキル、また多くのロボットを製作、運用するための高いチームワーク、マネジメントスキルが要求されるコンテストです。RoboMasterには国際大会があり、試合を進める中で国外の方々と交流し、国際的な感覚を持ったエンジニアとなることが期待できます。本機構に所属する多くの学生・子ども達がこのロボットコンテストに出場しており、チームとしての人数は50人を超えるなどまるで企業でロボットを分業的に開発するかのような経験を積むことができます。また、RoboMasterではチームの開発資金の調達や広報活動に至るまでロボット製作以外に必要な組織としての取り組みにも学生・子ども達が主体的に実行することが求められており、技術的な側面以外での教育効果も見込めるロボットコンテストです。
学べる・経験できる分野(一例)
- 耐久性に優れた遠隔操縦ロボットの研究開発
- 3DCADを用いた大型ロボットやドローンの設計製作
- マイコン等を用いた組み込みシステム開発
- 高速度カメラと小型PCを用いた高速画像処理
- 自律移動ロボットの制御システム開発
- 50人以上が集まるチームでのチームワーク、マネジメントスキル等
- 他国のエンジニアとのコミュニケーションなどを含めた国際感覚
RoboMasterとは
RoboMasterは、ドローン世界シェアNo.1の中国DJI社が主催する大学生向けの国際ロボットコンテストで、次世代の人材育成を目的にしています。2015年に初開催され、現在世界各国から200チームが参加する急激に発展中のロボコンです。優勝チームには約800万円、その他優秀なチーム・個人に対しても賞金が用意され参加学生のモチベーションを上げるとともに、最先端の技術開発に挑戦できる競技内容に加えて、エンターテインメント性が高く意識され現在国内外で注目を集める“e-sport”のような側面を持つロボットコンテストです。
競技概要
多種多様なロボットが球を打ち合い連携して相手を倒す"e-sportロボコン"
RoboMasterでは、車輪型やドローン、自律移動ロボット等の5種7台の多様なロボットが球の打ち合いで相手ロボットや相手基地を倒す大会です。比較的大型で球の撃ち合いや激しい衝突でも壊れず動作するタフなロボット開発、また素早く動く相手に正確に球を当てるための画像処理などを駆使した技術開発に挑戦します。複数種類あるロボットの内、あるロボットは最初から球を持っておらず、競技フィールド上の球を拾う機能に特化した別のロボットからの球の補給を受けたり、負傷したロボットを回復させる役割のロボットがいたり、ドローンでは上空からの広くフィールドを見渡し攻撃を加えたりなど、ロボット毎に搭載できる機能が異なっています。それぞれのロボットがうまく連携し攻守を実行しないと競技にならないことから、対戦相手の分析や試合戦略が勝敗を大きく左右し機体スペックだけが必ずしも結果に結び付かない競技です。そのためロボットを操縦するメンバーには鋭い洞察力と瞬間的な判断力、そして優れた連携力が要求されます。
出展:https://www.robomaster.com/en-US/robo/rm
RoboMaster最大の特徴は、ロボットに搭載したカメラの視点(一人称視点)でロボットを操作することです。一人称視点で球を当て合う光景はまるでゲームであり、エンターテインメント性が追求されたロボットコンテストです。ロボットの操作にはパソコンを用い、キーボードとマウスでロボットを操縦することが可能です。RoboMasterではジャッジシステムと呼ばれる完全自動化された審判システムがあることも大きな特徴です。各ロボットにはダメージを検出するためのプレートが装着されており、ロボットはそのプレートを狙って球を当てます。プレートには球の衝突時の振動から球の当たり判定を自動化しており、これを無線でジャッジシステムのサーバに送信し全てのロボットの状態を管理しています。操作画面にはこれら味方や敵ロボットの体力(ヒットポイント)、試合状況等ジャッジシステム経由で得られる情報が表示されています。
競技ルール解説動画
出展:Youtube RoboMaster Japan Community
競技の様子
出展:Youtube RoboMaster
RoboMasterチームリーダ
廣本一真
奈良高専学生、奈良高専ロボコンプロジェクトOB
2020年1月よりRoboMasterチームのリーダー。チームでは機械設計製作等を兼任し、主に哨兵ロボットを担当。高専所属時は機械設計担当として高専ロボコンに参加し、2019年には近畿地区大会優勝、全国大会でベスト4、ロボコン大賞を勝ち取った。